第四回企画展　前田一鶯

安八が生んだ京都画壇の俊才前田一鶯は、大正から昭和初期まで京都を中心に活躍した画家です。
一鶯は、山水画が巧みで、特に雨景・雪景は他の追従を許さぬ彼の独断場で、関西では有名でした。彼の絵は、久邇宮邦彦殿下や昭和天皇の皇后良子陛下の御成婚記念にも献上され、その画才を賞賛されました。しかし、彼はあくまで帝展等の展覧会に入選することより、己の描法に信念を貫き通した画家でありました。
ここに、没60年余り経ち、生誕の地安八町で、大正時代氷取「南洋楼」で展覧会が開かれて以来の、『一鶯展』を開催することになりました。今回は、長男賢文氏（東京都在住）、町内並びに京都の方々に貴重な絵画をお借りし展示しました。
一鶯の生き方や多くの業績を感じ取っていただけば幸です。

7月17日（土）

前岐阜県美術館館長　平光明彦　氏
前田一鶯作品鑑賞会、講演会が開催されました。
鑑賞会は、展示室で作品を前にして一鶯の画風の説明を受けました。
講演会では、大正期の東西画壇の特徴、洋画と日本画のちがい、関西での一鶯の活躍ぶり等を話され、約60名の参加者は、平光氏の話にうなづきながら耳を傾けていました。